PS5 SSD増設完全ガイド:速度・容量を最大限に引き出すプロの手順
PlayStation 5(PS5)の登場以来、その圧倒的なグラフィック性能と超高速なロード時間は、多くのゲーマーを魅了し続けています。しかし、次世代ゲームのファイルサイズは年々肥大化の一途を辿り、内蔵SSDの約667GBという実質的な利用可能容量では、あっという間にストレージが満杯になってしまうという共通の悩みに直面している方も少なくないでしょう。お気に入りのゲームを削除しては新しいゲームをインストールする、という煩わしい作業にうんざりしていませんか?
この問題に対する最も効果的かつ根本的な解決策が、M.2 SSDの増設です。PS5は優れた拡張性を備えており、指定されたM.2 SSDを増設することで、内蔵ストレージと同等かそれ以上の速度を維持しつつ、最大8TBもの容量を追加することが可能です。これにより、膨大なゲームライブラリを常に手元に置き、ロード時間の短縮によるシームレスなゲーム体験を享受できるようになります。
本記事は、PS5のSSD増設を検討しているすべてのゲーマーのために、M.2 SSDの選び方から、PS5本体への安全な取り付け手順、そして増設後の初期設定に至るまで、専門家が徹底的に解説する完全ガイドです。ソニー公式の推奨仕様に基づき、数多くの検証データと実体験を踏まえた上で、失敗しないための具体的なヒントと注意点を網羅的に提供いたします。この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持ってPS5のストレージを拡張し、より快適で豊かなゲームライフを手に入れることができるでしょう。さあ、PS5の秘められたポテンシャルを最大限に引き出し、最高のゲーム体験へと旅立ちましょう。
PS5 SSD増設の必要性と得られるメリット
PlayStation 5は、その革新的なカスタムSSDにより、ゲームのロード時間を劇的に短縮し、これまでのゲーム体験を大きく変革しました。しかし、この高速な内蔵SSDも、現代のゲーム環境においてはいくつかの課題を抱えています。ここでは、PS5にSSDを増設することの必然性と、それによって得られる具体的なメリットについて深く掘り下げていきます。
PS5の内蔵SSDは公称825GBですが、システム領域やプリインストールされたアストロプレイルームなどで約158GBが使用されるため、実際にゲームやアプリケーションに利用できる容量は約667GB程度です。これはPS4世代のゲームと比較すれば十分な容量に見えるかもしれませんが、PS5専用タイトルや最新のクロスジェネレーションタイトルは、その高精細なグラフィックと広大な世界観を実現するために、100GBを超えるファイルサイズが珍しくありません。例えば、『Call of Duty: Modern Warfare II』はインストールに約150GB、『Horizon Forbidden West』も約90GBを必要とします。このような大容量タイトルを数本インストールしただけで、あっという間に内蔵ストレージは満杯になってしまうのです。
ストレージが不足すると、新しいゲームをプレイするたびに既存のゲームを削除し、必要になったら再ダウンロードするという手間が発生します。これは、せっかくの次世代機でのゲーム体験を著しく損なう要因となります。また、PS5ではPS4タイトルもプレイ可能ですが、これらのタイトルも内蔵SSDに保存されるため、PS4からの移行ユーザーにとってはさらに容量圧迫の要因となりえます。
SSD増設がもたらす具体的なメリット
M.2 SSDを増設することで、PS5のゲーム体験は劇的に向上します。以下に主なメリットを挙げます。
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ゲームライブラリの飛躍的な拡張性: 増設SSDは最大8TBまでの容量をサポートしており、これにより内蔵ストレージの約10倍以上のゲームを保存できるようになります。お気に入りのゲームを削除することなく、いつでも好きな時にプレイできる環境が手に入ります。
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ロード時間のさらなる短縮: PS5の内蔵SSDは非常に高速ですが、ソニーが推奨するM.2 SSDは、内蔵SSDと同等かそれ以上の読み込み速度(5,500MB/s以上)を発揮します。これにより、ゲームの起動、エリア間の移動、データの読み込みなど、あらゆる場面でストレスフリーな体験が可能です。実際に、一部の増設SSDは内蔵SSDよりも優れたロード時間を示すケースも報告されています。
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PS5専用ゲームの直接プレイ可能: 外付けHDDや一部の外付けSSDでは、PS5専用タイトルを直接プレイすることはできません。これらのストレージはPS4タイトルの保存・プレイには利用できますが、PS5タイトルは一度内蔵SSDに移動させる必要があります。しかし、M.2 SSDを増設すれば、PS5タイトルも直接インストールしてプレイできるため、データ管理の手間が大幅に削減されます。
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データ管理の柔軟性向上: 増設SSDを導入することで、ゲームの保存先を自由に選択できるようになります。例えば、よくプレイするタイトルやロード時間が重要なタイトルは増設SSDに、あまりプレイしないタイトルは内蔵SSDに、といったように、用途に応じてデータを最適に配置することが可能です。これにより、内蔵SSDの空き容量を常に確保しやすくなります。
これらのメリットは、単に容量が増えるというだけでなく、ゲーマーのストレスを軽減し、より深くゲームの世界に没入できる環境を提供するものです。PS5の真のポテンシャルを最大限に引き出すためには、M.2 SSDの増設はもはや選択肢ではなく、必須のアクションと言えるでしょう。
PS5対応M.2 SSD選びの決定版:失敗しないための必須条件
PS5のSSD増設を成功させる上で最も重要なステップの一つが、適切なM.2 SSDの選定です。市場には多種多様なM.2 SSDが存在しますが、PS5が求める厳しい性能要件を満たす製品は限られています。ここでは、PS5に対応するM.2 SSDを選ぶ上での必須条件と、失敗しないためのポイントを詳細に解説します。
M.2 SSDの基本知識とPS5の要求仕様
PS5に増設できるM.2 SSDは、以下のソニー公式の要件を厳守する必要があります。
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インターフェース: PCIe Gen4x4 NVMe M.2 SSD
これは、データ転送速度の規格を指します。PS5はPCIe Gen4x4という非常に高速なインターフェースを要求しており、PCIe Gen3x4などの旧世代のSSDは利用できません。NVMeは、SSDの性能を最大限に引き出すための通信プロトコルです。
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容量: 250GB ~ 8TB
ユーザーのニーズに合わせて、幅広い容量が選択可能です。一般的には1TBまたは2TBモデルがコストパフォーマンスに優れ、多くのゲーマーに推奨されます。将来的なゲームの肥大化を考慮すると、ある程度の余裕を持った容量を選ぶことが賢明です。
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読み込み速度: 5,500MB/s以上
これは最も重要な要件の一つです。PS5の内蔵SSDと同等かそれ以上の速度を発揮するために、最低でもこの速度を満たす製品を選ぶ必要があります。製品パッケージや仕様表に記載されているシーケンシャルリード速度を確認しましょう。
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フォームファクタ: Type 2230, 2242, 2260, 2280, 22110
これはM.2 SSDの物理的なサイズ(幅22mm、長さ30mm/42mm/60mm/80mm/110mm)を示します。市場で最も一般的なのはType 2280で、PS5のスロットにも問題なく適合します。
ヒートシンクの重要性とその役割
PS5のM.2 SSDスロットは、本体内部に位置し、十分なエアフローが確保されにくい構造になっています。高速なPCIe Gen4x4 SSDは、動作時にかなりの熱を発生させるため、この熱を適切に放熱しないと、SSDの性能が低下したり、最悪の場合故障の原因となる「サーマルスロットリング」が発生する可能性があります。これを防ぐために、ヒートシンクの装着が必須とされています。
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一体型ヒートシンク:
SSD本体に最初からヒートシンクが取り付けられているタイプです。取り付けの手間が省け、メーカーによって最適な設計が施されているため、安心して利用できます。ただし、一体型ヒートシンクの厚みには注意が必要です。ソニーの公式ガイドラインでは、SSDとヒートシンクを合わせた合計の高さが11.25mm以下と規定されています。
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後付けヒートシンク:
ヒートシンクが付属していないSSDを購入した場合、別途ヒートシンクを購入して取り付ける必要があります。様々なデザインやサイズのヒートシンクが販売されており、冷却性能とPS5のM.2スロットへの適合性を考慮して選ぶ必要があります。薄型設計で高い放熱性能を持つ製品を選ぶのが良いでしょう。取り付けは両面テープなどで固定するタイプが一般的です。
特に、ヒートシンクの高さ制限は厳守すべき点です。厚すぎるヒートシンクは、M.2 SSDスロットカバーが閉まらなくなるだけでなく、無理に閉じようとするとSSDやPS5本体を損傷する恐れがあります。製品の仕様をよく確認し、PS5の要件に合致するものを選びましょう。
主要メーカーと推奨モデルの紹介
現在市場でPS5の要件を満たし、高い評価を得ているM.2 SSDの主要モデルをいくつかご紹介します。これらの製品は、多くのユーザーによる検証でもその性能と安定性が確認されています。
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Samsung 980 PRO / 990 PRO:
SSD市場のリーダーであるSamsungのハイエンドモデル。特に990 PROは読み込み速度7,450MB/sと非常に高速で、PS5の性能を最大限に引き出します。一体型ヒートシンク付きモデルも用意されており、安心して選択できます。
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Western Digital WD_BLACK SN850 / SN850X:
ゲーミングPC向けストレージとして定評のあるWD_BLACKシリーズ。SN850Xは読み込み速度7,300MB/sを誇り、高い耐久性と安定性も兼ね備えています。ヒートシンク付きモデルも人気です。
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Crucial P5 Plus:
MicronのブランドであるCrucialのPCIe Gen4 SSD。読み込み速度は6,600MB/s前後と、PS5の推奨速度を十分に満たしています。コストパフォーマンスに優れる選択肢として人気があります。
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Corsair MP600 PRO LPX:
PCパーツで有名なCorsairのPS5向けに設計された薄型ヒートシンク一体型SSD。読み込み速度は7,100MB/sと高速で、PS5のM.2スロットにぴったり収まるよう設計されています。
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Seagate FireCuda 530:
Seagateのゲーミング向けSSD。読み込み速度は7,300MB/sとトップクラスで、高い耐久性も特徴です。ヒートシンク一体型モデルも提供されています。
これらのモデルは、いずれもPS5の要求仕様を満たしており、信頼性の高い選択肢となります。購入の際は、必ずヒートシンクの有無と、その厚みがPS5の要件に適合しているかを確認してください。また、製品のレビューやベンチマーク結果を参考に、自身の予算と求める性能に合ったものを選ぶことが重要です。
増設前に知っておくべきPS5本体の準備と注意点
PS5へのM.2 SSD増設は、比較的簡単な作業ですが、電子機器の内部に触れるため、いくつかの重要な準備と注意点を守る必要があります。これらを怠ると、PS5本体やSSDを損傷したり、最悪の場合、保証対象外となるリスクも生じます。安全かつ確実に増設作業を進めるために、以下の項目を必ず確認してください。
必要な工具と準備物リスト
作業をスムーズに進めるために、以下のものを事前に準備しましょう。
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プラスドライバー(No.1): PS5のM.2 SSDスロットカバーを固定しているネジを外すために必要です。精密ドライバーセットに含まれていることが多いですが、適切なサイズのドライバーを使用してください。サイズの合わないドライバーを使用すると、ネジ山を潰す可能性があります。
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静電気対策用品(推奨):
- 静電気防止リストバンド: 電子部品に触れる際に身体に帯びた静電気を放電し、部品の破損を防ぎます。アースに接続できるタイプが理想的です。
- 静電気防止手袋: リストバンドと同様に静電気対策として有効です。また、指紋や皮脂が部品に付着するのを防ぐ効果もあります。
静電気は目に見えない電子部品の天敵です。特に乾燥した季節には発生しやすいため、対策を怠らないようにしましょう。
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作業スペースの確保:
清潔で平らな広い場所を確保してください。PS5本体を横向きに置くスペースと、取り外したカバーやネジを一時的に置くスペースが必要です。ホコリの少ない環境が望ましいです。
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懐中電灯(あれば便利):
M.2 SSDスロット内部は暗く、細かい作業になるため、手元を明るく照らすことで作業がしやすくなります。
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PS5対応M.2 SSD(ヒートシンク付きまたは別途ヒートシンク):
前述の「PS5対応M.2 SSD選びの決定版」で解説した要件を満たすSSDを準備してください。
PS5本体の電源オフとケーブル類取り外し
作業を開始する前に、PS5本体の電源を完全にオフにし、すべてのケーブルを取り外すことが絶対条件です。
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PS5の完全シャットダウン:
PS5の電源ボタンを長押しするのではなく、ホーム画面から「電源」→「PS5の電源を切る」を選択し、完全にシャットダウンしてください。レストモードでは内部に電気が流れているため危険です。
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電源ケーブルの取り外し:
PS5が完全にシャットダウンしたら、本体から電源ケーブルを抜きます。これは、万が一の感電やショートを防ぐための最も重要なステップです。
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その他のケーブルの取り外し:
HDMIケーブル、LANケーブル、USBケーブルなど、PS5に接続されているすべてのケーブルを取り外します。これにより、作業中にケーブルが邪魔になったり、誤って引っ張って本体を落下させたりするリスクを回避できます。
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本体の放電:
電源ケーブルを抜いた後、念のためPS5の電源ボタンを数回押して、本体内部に残っている電気を放電させましょう。これにより、より安全に作業を進めることができます。
データバックアップの推奨
M.2 SSDの増設作業自体でデータが失われることは稀ですが、万が一の事態に備えて、重要なゲームデータやセーブデータのバックアップを取っておくことを強く推奨します。
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PS Plusクラウドストレージ:
PlayStation Plusに加入している場合、セーブデータは自動的にクラウドにアップロードされます。念のため、直近の同期状況を確認しておきましょう。
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USBストレージへのバックアップ:
USBメモリや外付けHDD/SSDをPS5に接続し、設定メニューから「セーブデータとゲーム/アプリ設定」→「セーブデータ(PS5)」または「セーブデータ(PS4)」を選択し、「USBドライブにコピー」を実行することで、手動でバックアップを取ることができます。
バックアップは、常に最悪のシナリオを想定した予防策です。安心して作業を進めるためにも、ぜひ実施してください。
保証に関する注意事項
PS5にM.2 SSDを増設する行為自体は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)によって公式にサポートされており、正しく取り付けられた場合、PS5の保証が無効になることはありません。
これらの準備と注意点をしっかりと守ることで、安全かつスムーズにPS5のSSD増設作業を進めることができます。次のセクションでは、具体的な取り付け手順を解説します。
PS5本体分解からSSD取り付けまでの詳細ステップ
ここからは、いよいよPS5本体を開封し、M.2 SSDを取り付ける具体的な手順を解説します。指示された手順を一つずつ丁寧に行うことで、誰でも安全に増設作業を完了させることができます。焦らず、落ち着いて作業を進めましょう。
PS5カバーの安全な取り外し方
PS5のカバーは、特定の方向に力を加えることで簡単に取り外すことができます。デジタルエディションとディスクエディションで基本的な取り外し方は共通ですが、ディスクドライブの有無で本体の向きが変わります。
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PS5の設置:
PS5本体を、ロゴマークが上になるように(PlayStationロゴが手前に来るように)横向きに置きます。ディスクエディションの場合、ディスクドライブが下になるように置くと、ロゴマークがある面が上になります。デジタルエディションの場合は、どの面が上になっても構いませんが、ロゴ面を上にしておくと分かりやすいでしょう。
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ロゴカバーの取り外し:
本体のロゴマークがある面(通常は上側のカバー)を取り外します。このカバーは、本体の電源ボタン側(左上)を軽く持ち上げながら、本体底面(右下)に向かってスライドさせるように力を加えると外れます。
- 片手でPS5のロゴがあるカバーの角を掴み、軽く持ち上げます。
- もう一方の手で、本体の底面(PSロゴの反対側)をしっかりと支えます。
- 持ち上げたカバーを、本体の底面側に向かって「スライドさせる」ように力を加えます。カチッという音がして、カバーが少し浮き上がれば成功です。
- そのままカバーを完全に引き剥がします。
無理な力を加えるのではなく、スライドさせるイメージが重要です。慣れると簡単に外せるようになります。
M.2 SSDスロットカバーの開け方
カバーを取り外すと、本体内部にM.2 SSDスロットが見えます。このスロットは、さらに小さな金属製のカバーで保護されています。
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スロットカバーの確認:
取り外したカバーの下に、長方形の金属製カバーが見えます。これがM.2 SSDスロットカバーです。通常、一本のプラスネジで固定されています。
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よくある質問(FAQ)
Q1: PS5 SSD増設を始める際の注意点は何ですか?
A: 初心者の方は、まず基本的な知識を身につけることが重要です。安全性を最優先に、段階的に技術を習得していくことをお勧めします。
Q2: PS5 SSD増設でよくある失敗例は?
A: 事前準備不足や基本手順の省略が主な原因です。本記事で紹介している手順を確実に実行することで、失敗リスクを大幅に減らせます。
Q3: PS5 SSD増設の習得にはどのくらい時間がかかりますか?
A: 個人差はありますが、基本的な内容であれば1-2週間程度で習得可能です。継続的な練習により、より高度な技術も身につけられます。
Q4: PS5 SSD増設に関する最新情報はどこで入手できますか?
A: 公式サイトや専門機関の発表、業界団体の情報を定期的にチェックすることをお勧めします。当サイトでも最新情報を随時更新しています。
PS5 SSD増設で成功するための追加ヒント
継続的な改善
PS5 SSD増設の習得は一朝一夕にはいきません。定期的な練習と改善により、着実にスキルアップを図りましょう。
コミュニティ活用
同じPS5 SSD増設に取り組む仲間とのネットワークを築くことで、より効率的に学習を進められます。
最新トレンド把握
PS5 SSD増設の分野は日々進歩しています。最新の動向を把握し、時代に合った手法を取り入れることが重要です。