電子回路 入門:初心者でもわかる!ブレッドボードで始めるエレクトロニクスの基礎
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画像説明 (例): はんだ付けされていない様々な電子部品がブレッドボードに挿入され、カラフルなジャンパー線で接続されている様子。初心者でも親しみやすいように、工具や電源装置なども周囲に配置されている。この画像は、電子回路の学習がいかに楽しく、視覚的にも魅力的であるかを示唆しており、読者に「自分にもできる」という期待感を与えることを目的としています。ブレッドボードの構造、各部品の種類、配線の基本原則、そして安全な作業環境の構築といった、記事の導入部分で触れるべき主要な概念を視覚的に表現するよう努めています。また、エレクトロニクスが私たちの日常生活にどのように深く根ざしているか、その一端を垣間見せることで、学習意欲をさらに高める役割も果たします。
電子回路の世界へようこそ!私たちの身の回りには、スマートフォン、パソコン、家電製品、自動車に至るまで、数え切れないほどの電子機器があふれています。これらの機器がどのように動いているのか、その心臓部にあるのが「電子回路」です。
このガイドでは、全くの初心者の方でも安心して電子回路の基礎を学べるよう、専門用語を避け、図解を交えながら分かりやすく解説していきます。特に、はんだ付け不要で手軽に試せる「ブレッドボード」を使った実践的な学習に焦点を当て、実際に手を動かしながら理解を深めることを目指します。
「難しそう」「理系じゃないから無理」そう思っている方もいるかもしれません。しかし、心配はいりません。基本的なルールと少しの好奇心があれば、誰でもエレクトロニクスの楽しさに触れることができます。さあ、一緒に電子回路の扉を開いて、ものづくりの喜びを体験しましょう!
1. 電子回路の世界へようこそ:入門の第一歩
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画像説明 (例): 様々な電子機器(スマートフォン、タブレット、ロボット、ドローンなど)が並べられ、それらが内部に複雑な電子回路を持っていることを示唆するイラスト。中央には、それらの機器の内部構造を抽象的に表現した回路図や基板のイメージが重ねられている。この画像は、電子回路が私たちの日常生活にどれほど深く浸透しているか、そしてその背後にある技術への興味を喚起することを目的としています。読者が「なぜ電子回路を学ぶのか」という問いに対する答えを見つける手助けとなり、学習のモチベーションを高める役割を果たします。エレクトロニクスの広大な応用分野と、それがもたらす可能性を視覚的に訴えかけることで、記事全体への期待感を高めます。
なぜ今、電子回路を学ぶのか?
現代社会は、エレクトロニクスなしには成り立ちません。IoT (Internet of Things) デバイス、AI (人工知能) を搭載した機器、ロボット技術の発展など、最先端技術の多くは電子回路の進歩によって支えられています。電子回路の基礎を学ぶことは、これらの技術を理解し、さらには自分で新しいものを作り出すための強力な武器となります。
この知識は、単に趣味の領域に留まらず、プログラミング、機械学習、情報科学といった他の分野との連携を深める上でも非常に重要です。例えば、センサーからのデータを受け取り、それを処理してモーターを動かすようなシステムを構築するには、ソフトウェア(プログラミング)の知識と、ハードウェア(電子回路)の知識が不可欠です。
この記事で学ぶことの全体像
本記事では、電子回路の最も基本的な概念から、実際に回路を組むための実践的なステップまでを網羅します。具体的には、以下のような内容を順に学んでいきます。
- 電子部品の種類と役割: 抵抗、コンデンサ、LEDなど、回路を構成する基本的な部品の働きを理解します。
- ブレッドボードの使い方: はんだ付けなしで回路を試作できる便利なツール、ブレッドボードの配線ルールを習得します。
- 回路の基本法則: オームの法則やキルヒホッフの法則といった、回路の動作を理解するための物理法則を学びます。
- 簡単な回路の製作: LEDを点灯させる回路など、実際に手を動かして回路を組み立てる体験をします。
- 回路図の読み方: 設計図である回路図を正確に読み解く方法を身につけます。
- トラブルシューティング: 回路がうまく動かないときに、どこを確認すべきか、基本的な解決策を学びます。
これらの知識を身につけることで、あなたは単に電子機器を使うだけでなく、その仕組みを理解し、さらには自分で「ものづくり」を楽しむことができるようになるでしょう。さあ、エレクトロニクスの奥深い世界へ飛び込みましょう!
⚠️ 電子回路の学習は、現代社会を理解し、未来を創造するための不可欠なスキルです。この記事を通して、その第一歩を踏み出しましょう。
2. 電子回路を構成する基本的な部品たち
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画像説明 (例): 様々な種類の電子部品が整然と並べられた写真。抵抗器、コンデンサ、LED、ダイオード、トランジスタ、ICチップなどが、それぞれの形状やサイズ、色、表記が明確にわかるように配置されている。各部品の下には、その名称と簡単な機能が書かれたラベルが添えられていると良い。この画像は、読者が実際に部品を識別し、その基本的な役割を理解するための視覚的な手がかりを提供することを目的としています。エレクトロニクスの「部品箱」を開けるようなワクワク感を演出し、学習への好奇心を刺激します。特に、色帯抵抗や極性のある部品など、初心者が見分けにくいポイントを強調するような配置が望ましいです。
電子の流れを制御する「抵抗」
抵抗(Resistor)は、その名の通り、電流の流れを「抵抗」する部品です。これにより、回路内の電流の量を調整したり、電圧を分圧したりする役割を果たします。
- 単位: オーム (Ω)
- 特徴: 抵抗値は色帯で示されることが多く、極性がないためどちら向きに接続しても機能します。
- 用途: LEDの電流制限、電圧の調整など。
例えば、LEDは流れる電流が多すぎると壊れてしまいますが、抵抗を直列に接続することで、LEDに流れる電流を適切な値に制限することができます。
電荷を蓄える「コンデンサ」
コンデンサ(Capacitor)は、電荷を一時的に蓄えることができる部品です。電池のような役割も果たしますが、瞬時に充放電できる点が異なります。
- 単位: ファラッド (F)
- 特徴: 電解コンデンサなど一部のタイプには極性があり、接続方向を間違えると破損する可能性があります。セラミックコンデンサなど極性のないタイプもあります。
- 用途: ノイズ除去、平滑化(電圧の安定化)、タイマー回路など。
光を放つ「LED」
LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)は、電流を流すと光を放つ半導体部品です。
- 特徴: 極性があり(長い方がアノード(+)、短い方がカソード(-)。あるいは平らな面がある方がカソード)、逆向きに接続すると光りません。適切な電流を流すために抵抗と組み合わせて使われます。
- 用途: 表示灯、照明、信号など。
電流を一方向に流す「ダイオード」
ダイオード(Diode)は、電流を一方向にのみ流す性質を持つ半導体部品です。逆方向にはほとんど電流を流しません。
- 特徴: 極性があり、カソード側に帯状のマークがあることが多いです。
- 用途: 整流(交流を直流に変換)、逆流防止など。
スイッチにも増幅器にもなる「トランジスタ」
トランジスタ(Transistor)は、小さな電流で大きな電流を制御したり、信号を増幅したりできる半導体部品です。電子回路の「頭脳」とも言えるIC(集積回路)の基本的な構成要素でもあります。
- 特徴: NPN型とPNP型があり、それぞれベース、コレクタ、エミッタという3つの端子を持ちます。
- 用途: 電子スイッチ、信号増幅、論理回路など。
電子回路の「脳」となる「IC(集積回路)」
IC(Integrated Circuit:集積回路)は、トランジスタや抵抗、コンデンサなどの多数の部品を一つの小さなチップに集積したものです。これ一つで複雑な機能を実現できます。
- 特徴: 非常に多くの種類があり、それぞれ特定の機能(マイコン、センサー、アンプなど)を持っています。
- 用途: マイクロコントローラ(Arduinoなど)、センサー、オペアンプなど。
これらの部品は、電子回路を理解し、実際に作り始める上で最も基本的な要素となります。それぞれの部品がどのような役割を果たし、どのように接続されるのかを学ぶことが、エレクトロニクスの第一歩です。
💡 各部品の役割と特性、特に極性の有無は、回路を正しく動作させ、部品を破損させないために非常に重要です。
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3. ブレッドボードとは?配線の基本をマスターしよう
画像説明 (例): ブレッドボードのクローズアップ写真。内部の接続構造をわかりやすく示すために、一部が透明になっているか、あるいは断面図が描かれていると理想的。電源ライン(赤と青のライン)と部品挿入エリアの内部配線(縦方向の接続)が、異なる色や線で強調されている。いくつかのジャンパー線が実際に挿入され、どのように接続されるかの例が示されている。この画像は、ブレッドボードの物理的な構造と電気的な接続ルールを視覚的に理解させることを目的としています。初心者が配線ミスを減らし、安全に作業するための重要な情報を提供します。
はんだ付け不要の魔法の板:ブレッドボード
ブレッドボード(Breadboard)は、はんだ付けをせずに電子部品を差し込むだけで回路を試作できる、非常に便利なツールです。パン(bread)をこねる板(board)に似ていることからこの名前が付けられました。初心者にとっては、失敗を恐れずに何度も試行錯誤できるため、学習に最適です。
ブレッドボードの内部構造と配線ルール
ブレッドボードにはたくさんの小さな穴が開いていますが、これらの穴は内部で特定のパターンで接続されています。この接続ルールを理解することが、ブレッドボードを使いこなす上で最も重要です。
- 1. 電源ライン(バスライン):
* ブレッドボードの上下の端にある、縦に長い列(通常は赤と青の線で示される)です。
* これらの列は、横一列がすべて導通しています。
* 一般的に、赤い線のある列は「プラス(+)」、青い線のある列は「マイナス(-)/グランド(GND)」として使われます。
* 電源(例えば電池やUSB電源)を接続する際に利用します。
- 2. 部品挿入エリア(ターミナルストリップ):
* ブレッドボードの中央部分にある、部品を挿入するための穴が並んだエリアです。
* このエリアの穴は、縦一列(通常5つの穴)がすべて導通しています。
* 中央の溝(センターグルーブ)を挟んで左右に分かれており、左右の列は互いに導通していません。
* ICチップなどを挿す際は、この溝をまたぐように配置することで、左右のピンがショートするのを防ぎます。
配線ルールのまとめ:
- 横方向の接続: 電源ライン(バスライン)で行います。
- 縦方向の接続: 部品挿入エリア(ターミナルストリップ)で行います。
- 異なる部品間の接続: ジャンパー線(Jumper Wire)を使って行います。ジャンパー線は、異なる導通グループの穴同士を繋ぐ役割をします。
ブレッドボードを使った配線の基本ステップ
- 1. 電源の準備: まず、電源(例:電池ボックス)をブレッドボードの電源ラインに接続します。プラスを赤いライン、マイナスを青いラインに繋ぐのが一般的です。
- 2. 部品の配置: 使用する電子部品(抵抗、LEDなど)を、部品挿入エリアの適切な位置に差し込みます。部品の足は、それぞれ異なる縦列に挿入し、ショートしないように注意します。
- 3. 部品間の接続: ジャンパー線を使って、部品の足や電源ラインと部品の足を接続します。回路図を見ながら、必要な接続を行っていきます。
- 4. 極性に注意: LEDやダイオード、電解コンデンサなど、極性のある部品は正しい向きに接続します。
重要な注意点:
- ショート(短絡)に注意: 異なる電位の場所が意図せず繋がってしまうと、過電流が流れ、部品の破損や発熱、最悪の場合は火災の原因になることがあります。配線前に必ず確認しましょう。
- 部品の足の曲げ方: 部品の足を無理に曲げると破損の原因になります。ゆっくりと丁寧に扱いましょう。
- ジャンパー線の整理: 回路が複雑になるにつれて配線がごちゃごちゃしがちです。できるだけ短く、整然と配線することで、見やすく、トラブルシューティングもしやすくなります。
ブレッドボードでの配線は、まさにパズルのようです。最初は戸惑うかもしれませんが、何度か試しているうちに、そのルールと楽しさが分かってくるはずです。
📌 ブレッドボードの内部接続ルール(電源ラインは横、部品挿入エリアは縦)を理解することが、安全かつ正確な回路製作の鍵です。
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4. オームの法則とキルヒホッフの法則:回路の基本原理
画像説明 (例): オームの法則 (V=IR) とキルヒホッフの法則 (電流則と電圧則) を視覚的に表現したイラスト。オームの法則は、水流(電流)、パイプの太さ(抵抗)、水圧(電圧)の関係で示され、キルヒホッフの法則は、分岐する水路(電流則)や高低差のある地形(電圧則)で説明されていると理解しやすい。数式だけでなく、概念的なイラストで物理現象を直感的に捉えられるように工夫されている。この画像は、抽象的な電気の法則を具体的なイメージと結びつけ、学習のハードルを下げることを目的としています。
オームの法則:電流・電圧・抵抗の関係
電子回路を理解する上で最も基本的かつ重要な法則が「オームの法則」です。これは、電流(I)、電圧(V)、抵抗(R)の間に成り立つ関係を示しています。
V = I × R
- V (Voltage): 電圧 (単位: ボルト [V])
* 電流を流そうとする「力」や「圧力」のようなものです。水に例えるなら、水圧に相当します。
- I (Current): 電流 (単位: アンペア [A])
* 回路を流れる電子の量や速さです。水に例えるなら、水の流量に相当します。
- R (Resistance): 抵抗 (単位: オーム [Ω])
* 電流の流れにくさを示す値です。水に例えるなら、パイプの細さや障害物の多さに相当します。
この法則から、以下の関係も導き出せます。
- I = V / R (電流は電圧に比例し、抵抗に反比例する)
- R = V / I (抵抗は電圧に比例し、電流に反比例する)
例:
5Vの電圧源に100Ωの抵抗を接続した場合、流れる電流Iは?
I = V / R = 5V / 100Ω = 0.05A = 50mA
このように、オームの法則を使えば、回路内の未知の値を計算することができます。
キルヒホッフの法則:回路網の解析
オームの法則が個々の部品間の関係を示すのに対し、キルヒホッフの法則は、複数の部品が複雑に接続された「回路網」全体の電流と電圧の関係を記述します。
- 1. キルヒホッフの電流則(KCL: Kirchhoff’s Current Law)
* 「ある接点(ノード)に流れ込む電流の総和は、その接点から流れ出す電流の総和に等しい」という法則です。
* これは、電流がどこかで消えたり、突然現れたりしない、という「電荷保存の法則」に基づいています。
* 例えるなら、水道管の分岐点で、流れ込む水の量と、そこから流れ出す水の量の合計が等しい、ということです。
- 2. キルヒホッフの電圧則(KVL: Kirchhoff’s Voltage Law)
* 「回路内の任意の閉じた経路(ループ)において、電圧降下の総和は、電源電圧の総和に等しい(または、電圧の代数和はゼロになる)」という法則です。
* これは、電気的なエネルギーが、回路内を一周すると元の状態に戻るという「エネルギー保存の法則」に基づいています。
* 例えるなら、山道を一周して出発点に戻ってきたとき、上った高さの合計と下った高さの合計が等しい、ということです。
これらの法則は、一見すると難しく感じるかもしれませんが、実際に回路を設計したり、トラブルシューティングを行ったりする際に非常に強力なツールとなります。特に、複雑な回路の電流や電圧を解析する際には不可欠な知識です。
初心者の方は、まずオームの法則をしっかりと理解し、簡単な回路でその関係性を実感することから始めましょう。キルヒホッフの法則は、少しずつ複雑な回路に挑戦する中で、その必要性を感じながら学んでいくのが良いでしょう。
💡 オームの法則は、電子回路の最も基本的な「言語」です。これを理解すれば、多くの回路の動作原理が解き明かせます。
5. 簡単な回路を実際に作ってみよう:LED点灯回路
画像説明 (例): ブレッドボード上に実際に組まれたLED点灯回路の美しい写真。5Vの電源(USBケーブルなど)、抵抗器、LEDがジャンパー線で接続されている様子がはっきりと見える。LEDは明るく点灯しており、回路が正しく機能していることを示している。各部品の接続点が明確にわかるように、配線は整理されていると良い。この画像は、読者に「自分でも作れる」という具体的なイメージを与え、実践的な学習への意欲を掻き立てることを目的としています。成功体験の喜びを視覚的に伝えることで、学習のモチベーションを向上させます。
さあ、これまでに学んだ知識を使って、実際に回路を組んでみましょう!まずは、最も基本的で分かりやすい「LED点灯回路」を作ってみます。この回路は、オームの法則と抵抗の役割を実感するのに最適です。
必要なもの
- ブレッドボード: 1枚
- LED: 1個 (お好みの色)
- 抵抗: 1個 (220Ω〜470Ω程度。LEDに流す電流を制限するために使います)
- ジャンパー線: 数本
- 電源: 5V程度のDC電源 (USB電源アダプターとUSB-DC変換ケーブル、または電池ボックス+単3電池3本など)
LED点灯回路の回路図
まず、回路図を見てみましょう。
“`
+5V (電源)
|
R (抵抗)
|
—
| > | (LED)
—
|
GND (グランド/マイナス)
“`
- 電源のプラス(+)から電流が流れ出し、抵抗Rを通ってLEDに流れ込み、LEDを通って電源のマイナス(-)(GND)に戻るシンプルな回路です。
- 抵抗はLEDが過電流で破損するのを防ぐために必須です。
LED点灯回路の製作手順
- 1. ブレッドボードに電源を接続する:
* 電源のプラス(+)をブレッドボードの赤い電源ライン(バスライン)に接続します。
* 電源のマイナス(-)(GND)をブレッドボードの青い電源ライン(バスライン)に接続します。
* これで、赤いラインが5V、青いラインがGNDとして使えるようになりました。
- 2. 抵抗を配置する:
* 抵抗の片足を、ブレッドボードの赤い電源ライン(5V側)のいずれかの穴に挿入します。
* 抵抗のもう一方の足を、部品挿入エリアの新しい縦列の穴に挿入します。
- 3. LEDを配置する:
* LEDの長い足(アノード +)を、抵抗のもう一方の足と同じ縦列の穴に挿入します。
* LEDの短い足(カソード -)を、部品挿入エリアの別の新しい縦列の穴に挿入します。
* 重要: LEDには極性があります。長い足がプラス側、短い足がマイナス側です。間違えると光りません。
- 4. LEDとGNDを接続する:
* ジャンパー線を使って、LEDの短い足(カソード -)が挿入されている縦列の穴と、ブレッドボードの青い電源ライン(GND側)を接続します。
これで回路の完成です!
動作確認
電源を接続し、LEDが光るか確認してみましょう。
- 光れば成功です! おめでとうございます!あなたは最初の電子回路を完成させました。
- 光らない場合:
* 電源は入っていますか? 電池切れ、USBケーブルの接続不良などを確認してください。
* LEDの向きは合っていますか? 長い足が抵抗側(プラス側)に、短い足がGND側(マイナス側)になっていますか?
* 抵抗の値は適切ですか? 低すぎる抵抗はLEDを壊す可能性があります(通常220Ω以上)。高すぎると暗くなるか、光りません。
* 配線は正しくつながっていますか? ジャンパー線がしっかり刺さっているか、ブレッドボードの内部接続ルールに従って配線されているか確認してください。ショートしている箇所はありませんか?
* 部品は壊れていませんか? 特にLEDは逆電圧をかけすぎると壊れることがあります。
この簡単な回路から、電子回路の楽しさと奥深さを感じ取っていただけたでしょうか。抵抗の値を変更してみたり、他の色のLEDに変えてみたりするのも良いでしょう。
⚠️ 実際に手を動かして回路を組むことで、理論だけでは得られない実践的な理解と、成功体験の喜びが得られます。
6. デジタル回路とアナログ回路の違い
画像説明 (例): 左側にアナログ波形(滑らかに変化する曲線)を、右側にデジタル波形(0と1の二値で表現される階段状の波形)を視覚的に対比させたイラスト。それぞれの波形の下には、アナログ回路の例(オーディオアンプ、ラジオなど)とデジタル回路の例(コンピューター、スマートフォンなど)のアイコンが描かれている。この画像は、アナログとデジタルの基本的な概念的な違いを一目で理解させることを目的としています。抽象的な概念を具体的なイメージと結びつけ、視覚的な記憶として定着させる役割を果たします。
電子回路は、大きく「アナログ回路」と「デジタル回路」の二つに分類できます。それぞれの特徴を理解することは、回路の動作原理を深く理解する上で非常に重要です。
アナログ回路:連続的な情報を扱う
アナログ回路は、連続的に変化する物理量(電圧、電流など)をそのまま電気信号として扱う回路です。自然界のほとんどの現象はアナログ量であり、例えば音の波形、光の明るさ、温度の変化などは、連続的に変化します。
- 特徴:
* 連続的な信号: 電圧や電流が無限の値をとり、滑らかに変化します。
* 忠実な再現: 自然界の現象をより忠実に電気信号として表現できます。
* ノイズの影響: ノイズ(不要な信号)が混入すると、信号品質が劣化しやすく、元の信号との区別がつきにくいことがあります。
* 設計の難しさ: 信号の忠実な再現やノイズ対策には高度な技術と経験が必要です。
- 用途:
* オーディオアンプ(音の増幅)
* ラジオ、テレビの受信機(電波の変復調)
* センサー(温度、光、圧力などの物理量を電気信号に変換)
* 電源回路(電圧の安定化)
デジタル回路:離散的な情報を扱う
デジタル回路は、「0」と「1」の二つの値(またはON/OFF、高/低電圧)のみで情報を扱う回路です。連続的なアナログ信号を、ある時点での値の有無やレベルに変換して処理します。
- 特徴:
* 離散的な信号: 電圧が特定の二つのレベル(例: 0Vと5V)しかとらず、階段状に変化します。
* ノイズに強い: 多少のノイズが混入しても、「0」か「1」かを判別できるため、信号品質が劣化しにくいです。
* 複雑な処理: 論理ゲート(AND、OR、NOTなど)を組み合わせることで、非常に複雑な計算や情報処理が可能です。
* 設計の容易さ: 標準化された部品や設計手法が多く、比較的設計しやすいです。
- 用途:
* コンピューター、スマートフォン(情報処理、演算)
* デジタル時計、電卓
* 通信機器(デジタルデータ伝送)
* マイクロコントローラ(Arduino、Raspberry Piなど)
両者の連携:AD/DA変換
現代の電子機器では、アナログ回路とデジタル回路が密接に連携して動作しています。例えば、スマートフォンのマイクは音というアナログ信号を捉え、それをアナログ回路で増幅した後、A/Dコンバータ(Analog-to-Digital Converter)を使ってデジタル信号に変換します。このデジタル信号がプロセッサ(デジタル回路)で処理され、保存されたり、ネットワークを通じて送信されたりします。
逆に、保存されたデジタル音源をスピーカーで再生する際には、D/Aコンバータ(Digital-to-Analog Converter)を使ってデジタル信号をアナログ信号に戻し、アナログ回路で増幅してからスピーカーに出力します。
このように、アナログとデジタルは異なる特性を持ちながらも、互いに補完し合うことで、私たちの生活を豊かにする様々な電子機器が実現されています。初心者の方は、まずはそれぞれの概念を理解し、身近な機器がどちらの回路を主に使っているのかを考えてみることから始めましょう。
💡 アナログ回路は連続的な情報を、デジタル回路は「0」と「1」の離散的な情報を扱います。現代の機器では両者が連携して機能しています。
7. 電源とグランド:回路にエネルギーを供給する
画像説明 (例): 電源(電池やDCアダプタ)からブレッドボードの電源ラインへ、そして回路内の様々な部品へと電流が流れる様子を模式的に描いたイラスト。電源のプラス端子から電流が出発し、回路を一周してマイナス端子(グランド)に戻る「ループ」が強調されている。GNDシンボルが明確に示され、回路の基準点としての役割が視覚的に表現されている。この画像は、電子回路における電源とグランドの基本的な役割と、電流が流れる経路の重要性を理解させることを目的としています。回路が「閉じている」ことの重要性を強調します。
電子回路を動作させるためには、エネルギー源が必要です。それが「電源」であり、回路の基準となるのが「グランド(GND)」です。これらは、回路の心臓部と土台のような存在であり、その役割を理解することは回路設計の基本中の基本です。
電源(Power Supply):回路のエネルギー源
電源は、回路に電圧を供給し、電流を流すためのエネルギー源です。家庭用コンセントから得られる交流(AC)電源と、電池やACアダプターから得られる直流(DC)電源があります。電子工作でブレッドボードを使う場合は、主に直流(DC)電源を使用します。
- 電圧(V): 電源が供給する電位差の大きさを示します。例えば、5Vの電源は、回路に5ボルトの「押し出す力」を与えます。
- 電流(A): 電源が供給できる電流の最大値を示します。回路が必要とする電流を十分に供給できる電源を選ぶ必要があります。
- 極性: DC電源には必ずプラス(+)
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